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2006.09.24

夜のピクニック

夜のピクニック 夜のピクニック
恩田 陸

新潮社 2006-09
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第二回本屋大賞受賞作。
恩田さんの本で前に読んだ「黒と茶の幻想」もほぼ歩いている中で、心の内面や話が展開していく作品でしたが、夜のピクニックも歩いていく中での話。
舞台は高校生活最後の行事、歩行祭。
夜通し歩き続けるという行事の中で、貴子はひとつの賭けにでる。
主役はこの貴子と、融。
恋愛小説ではありません。
ただ歩く。とはいっても体は限界状態。
そんな中での友達たちとのやりとり、もくもくと歩いていく中で自分自身の思考や感情と向き合うことによって、心の細かいひだや、憤り・嫉妬・憎しみ・悲しみ・痛み・後悔・ジレンマ・もどかしさ・葛藤・愛情・友情・慕情なんかが全て入り混じったなんとも表現できない想いが変化していくさま。

歩きながらって、普段よりもモノを考えるし、話もしやすい状態。
言葉がその場に留まらず、流れていくような感じが少し心を軽くしてくれるからか、レストランや喫茶店で面と向かって話すよりも、深い話や内面の話は実はこういう隣を歩きながら屋外でという方がしやすいもの。

歩きながら考えを巡らせたり、黙って自分の思考と向き合いながら、ふと言葉を零した時に隣を歩く友人が受け止めてくれる。そしてそんな無意識の一言に自分自身でも気付いていなかった自分の考えに驚いたり。

たった一晩。
だけれど、大きく変わる主人公たちを含めた仲間たちの姿。
グイグイとひきこまれる、いい本でした。
真夜中の乾杯。
顔も見えない闇の中、取り繕うことすらできない限界の状態だからこそ、素で交わされた自然なやりとり。
あのシーンがいちばん好きです。

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