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2006.07.27

月魚

月魚
三浦 しをん
4043736029

直木賞おめでとうございます。。。
直木賞作品ではありませんが、三浦しをんさんの「月魚」を読みました。
この空気感が素敵です。
全体を漂う夜と月のイメージの青。
そこに真志喜が差し出したトマトの鮮明な赤。
夜の深い青の中で真志喜は白い肌をピンク色に染める。
三浦さんの本を読むのは初めてなのですが、深い色から淡い色や鮮明な色。色をとても効果的に使いこなす作家さんでした。
他の作品も読んでみたい。

そして、この「月魚」ですが、ものすごく好きな感じの作品でした。
この世界の中に流れるゆったりとしていて、かつ濃密な時間にため息をつかずにはいられません。

一番「水底の魚」が好きですが、宇佐見の視点から描かれる「水に沈んだ私の村」はその時だけの夏というのが描かれていて今が夏だけに沁みました。
スイカにプール、夜の学校、花火にビール。
仲間が集まっての共犯めいたいたずら(?)だとか。
夏は何故か他の季節と違って今年の夏は一度きりというのを強く感じますが、そんなものがギュッと凝縮されているような感じでした。
文庫版書き下ろしの「名前のないもの」も、神社の祭りのどこか懐かしい感じだとかが思いおこされて良かったです。出目金と赤い金魚の黒と赤、屋台の灯りやリンゴ飴などの甘い色。泊まっていいと言われてカップの日本酒を選ぶところあたり、季節は秋のお祭りなのでしょうか。。。二人の微妙な距離感だとかも優しい空気感が漂っていてすごく好き。
解説というか、この作品によせての文章があさのさんというのも文庫版の良い所。
オススメです。

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