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2006.05.26

黒と茶の幻想・上下

黒と茶の幻想 (上)
恩田 陸
4062749459

黒と茶の幻想 (下)
恩田 陸
4062753618

数日前の日記でちょろっと書いた屋久島が舞台の小説。
ネタバレありなので、下に隠しておきます。

+++以下感想+++

普段と違う時間の流れる、旅という場面。
合間合間に話をしていても、森をもくもくと歩くというのは自己と向き合うもの。
子供の頃、よく学校で行かされた山登りをふと思い出しました。

美化されてない愛がそこここで読み取れて、友情だとか愛情だとかそんな名前のついたものではなくて、ウマが合う、好きだということで繋がっている人対人。仲間。
4人が順に自分自身をみつめ、共にいる仲間のこともみつめる。
それぞれの性格が育まれてきた過程。
そしてその性格があっての恋愛や、立場上(姉弟だったり同性だったり)ゆがまざるをえなかった愛情、人間関係。

その互いの性格の違いこそ、それぞれが、それぞれにとって、必要な存在である理由。
自分に無いその人らしさに惹かれて、意識まではしていなくても深いところでつながっていて、きっと、旅から帰ってそれぞれの生活や家庭に戻っていったとしても、精神的に互いの存在が常に内にありつづけるのであろう。
「○○だったら、こう言うだろうな」というように折に触れて思い出すのではないかと思う。

表面の下に隠されている物語がものすごく深くて、4人の視点からそれぞれ順送りに描かれていることがまた、その過去の物語を引き立たせていて、とても読み応えのあるお話でした。

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